夢を実現するためには、お金の問題は避けて通れません。
人生のミッションをライフワークにして、残りの人生を生きるためには、老後のお金の不安を取り除くことが不可欠です。
メットライフ生命の調査によると、 20代から50代までに「老後について心配、不安だと感じること」は何かを聞くと、いずれの世代でも「お金」がトップにきます。
人生100年時代が本格的に到来し、老後の期間が長くなれば、老後の生活資金の問題が最も心配になるのは当然です。
こうした老後の生活資金の心配がなくならなければ、思い切って好きなことを仕事にしていくことができないと思います。
反対に老後の生活資金の目途がたてば、ライフワークとしてやりたいことにチャレンジすることができます。
年金対策や、つみたてNISAなどによる投資を行うことで、老後の生活資金の心配をなくすことができ、安定したサラリーに依存することなくチャレンジしていくことができるのです。
そうしたチャレンジをサラリーマンであるうちから副業として始めていくことで、個人ビジネスとして育てていけば、老後の期間にもその個人ビジネスで稼ぐことができるようにもなります。
夢を実現することで、後半の人生を幸福感の高いものにしていくために、お金の心配をなくしていくことが非常に大切なことなのです。
今回は、大切であるけれでも普段敬遠してしまいがちな「お金」のことについて、非常にわかりやすく書かれている本をご紹介します。
『見るだけでお金が貯まる賢者のノート』(2022年、自由国民社)です
自らも1億円を貯めたファイナンシャルプランナーである水上克郎さんが書かれています。
著者は、お金を増やす方法は「貯める」「ムダを省く」「運用する」「働く」の四つであると述べられています。
本書は、実際に1億円の資産を捻出した経験と年間300件を超えるファイナンシャルプランナー個別相談で得たノウハウに基づいた秘策が惜しみなく開示されています。
図解入りで大変わかりやすく、生活に身近なものとして捉えやすい内容になっています。
また、書かれていることは、私たちの家計にもすぐに取り入れていくことができる再現性の高いものです。
是非、参考にして、家計管理に取り入れていくことで、老後資金の心配をなくし、夢を掴みましょう。
「貯める」
お金を貯める方法として、給料から「先取り」「強制」「自動」で貯める仕組みが紹介されています。
給料が上がっても貯蓄に回さず、収入が増えた分だけお金を使ってしまった経験は誰でもあると思います。
これは、「パーキンソンの法則」(イギリスの政治学者が提唱)が働いているということです。
この法則が働いているので、支出は収入の額と一致するまで増大してしまう傾向にあります。
従って、最初から「先取り」して給料から天引きしてしまえば、手取りも減り、支出も減るというわけです。
確かに、不思議なもので最初からそれしか使えないと思えば、支出もその範囲に収まるようになりますね。
残ったら貯蓄へという「成り行き貯蓄」はNGで「先取り貯蓄」が鉄則ということです。
「先取り貯蓄」の具体的方法としては以下のものが紹介されています。
- 財形貯蓄(社内預金)
- 自動積立定期預金
- 自動積立投資信託
- つみたてNISA
- 確定拠出年金(企業型、個人型=iDeCo)
- 持株会
「無駄を省く」
誰もが知らず知らずのうちにムダなコストを払っている可能性があります。
そうしたコストを見直すことで、「塵も積もれば山となる」で、生涯では大きな差となる場合があります。
本書に書かれているコスト削減策の中でも、特に私も実行していて、大いに共感できることを以下に列挙します。
死亡保障の見直し
生命保険について、死亡保障はもしも家計を支えている人が死亡した場合に、残された家族が生活していくためのお金です。
住宅ローンを組んで団体信用生命保険に加入した場合には、住居費用分の保証が不要となり減額を検討できます。
また、子供が独立したら基本的に高額な死亡保障は必要なく解約を検討できます。
医療費は貯蓄で備える
医療保険については、貯蓄で備えるのが基本です。
高額療養費制度があるので、もしも100万円の医療費がかかったとしても、最終的な自己負担は約8万円になることが試算されています。
また、今では入院期間が短縮化していて、半分以上が10日以内の入院となっています。
私は一か月以上入院したことがあり、確かに保険は下りましたが、それでも、それまで払ってきた保険料の累計額の方がはるかに大きかったです。
車は金食い虫
車は、駐車場、保険、税金、ガソリン代などの維持費がものすごくかかります。
一台につき、維持費だけで年間30万~40万円。これに購入費用もかかりますので、50年間車を所有していると2,000万円~3,000万円の出費になるということです。
普通自動車から軽自動車に買い換えれば年間約12万円のコストが抑えられます。
ふるさと納税はしないとソン
ふるさと納税をしないことは本当にもったいないことです。
ご存知の通り、自分で選んだ自治体に寄付を行った場合に、寄付額のうち2,000円を超える部分について所得税と住民税から原則として全額控除される制度です。
多くの自治体は返礼品を寄付した人に送ってくれますので、実質2,000円の負担のみで返戻品が手に入るといったことになります。
クレジットカードのリボ払いはソン地獄
クレジットカードのリボ払いは、元本が減らずにずっと利息を払い続けることになる支払い方法です。
絶対にやってはいけません。クレジットカードは一回払いまたボーナス一回払いで利息ゼロの支払い方法を使うようにしましょう。
「運用する」
運用については、このブログの中でもたくさんご紹介していますが、ほとんど私と考え方が同じです。
インデックス・ファンドで「長期・分散・積立」投資
「長期・分散・積立」が投資の王道であり、投資信託の積立投資がお勧めであるとのことです。
投資信託は、その商品自体が分散投資を行っているものです。
また、積立投資であれば、タイミングをずらして時間分散で買っていくことができます。
いわゆるドル・コスト平均法で、マーケット変動に左右されずに、購入単価を平準化させることができます。
特に、投資信託の中でも、手数料の安いインデックス・ファンドをお勧めされています。
「つみたてNISA」と「iDeCo」を併用
「つみたてNISA」や「iDeCo」を活用して、インデックスファンドに積立投資をすることが書かれています。
「つみたてNISA」はいつでも解約できますが、「iDeCo」は60歳になるまで引き出せません。
「つみたてNISA」と「iDeCo」は、併用可能ですので、互いの特徴を補い併用することをお勧めされています。
個別株投資と不動産投資はビジネス
また、個別株投資や不動産投資は、相応の専門知識が必要になるため、ビジネスであるとしています。
この点も、私と同じ考えです。
勉強して、ビジネスとして覚悟を持って取り組む必要があります。
「働く」
年金額を把握
まずは、将来もらえる年金額を把握することです。
老後の夫婦二人が最低限必要な生活費は平均月22万円とのことです。
これに対して、自分がどれだけの年金をもらえるのかを把握することで、不足分を働くか、貯蓄を取り崩さなければならなくなります。
「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で自分の年金受取額を確かめることができます。
年金を増やす対策
本書では、年金を増やす方法が、紹介されています。
サラリーマンの場合は、「厚生年金に加入して収入を上げて長く働く」ことで将来受給できる年金を増やすことが出来ます。
また、「65歳以降に年金の受給開始時期を遅らせる」ことでも受け取る年金額を増やすことができます。
受給開始を1か月遅らせる毎に、受け取る年金額は0.7%ずつ増加します。
70歳まで遅らせれば42%、75歳まで遅らせれば84%も増やすことができます。
定年後、年金と生活費とを考えながら、年金を受け取る時期をどうするか、定年後の働き方をどうするかをあらかじめ考えておくことが重要であると書かれています。
定年後の選択は早めに準備
定年後の選択肢は、➊継続雇用、➋転職、➌独立起業、➍退職という4つがありますが、定年を迎えてから考えたのでは遅いということです。
➋転職や➌独立起業を選択するためには、副業や、自己投資を行いながら仕事のスキルアップや人脈作りをしておき、準備することが必要です。
準備がないまま定年を迎えると➊継続雇用か➍退職しか選択肢がなくなります。
40~50代のうちから、老後のお金と働き方について考えて、準備しておきたいですね。
まとめ
人生の後半を自分のミッションをライフワークにして、幸せに生きていくためには、老後のお金の不安を除いていくことが重要です。
お金を増やして方法として、「貯める」「ムダを省く」「運用する」ことが本書では紹介されています。
「貯める」方法として、給料から「先取り」「強制」「自動」の仕組みを活用することが貯蓄を増やす鍵です。
また「運用する」方法は、インデックスファンドで「長期・分散・積立」で投資することです。
これらは、「つみたてNISA」や「iDeCo」がぴったりの手法です。
「ムダを省く」方法は、いくつか紹介させていただきましたが、いずれも今日からでも取り入れることができるものです。
「働く」方法は、定年を迎える前に、あらかじめ考えて準備しておきたいところです。
そのために、自分の受取年金額を把握し、年金額を増やす対策として受給開始時期を遅らせる検討をすること。
また、副業や自己投資を行って、やり甲斐があり、ライフワークとして取り組むことができるビジネスを自分で作っていきたいですね。