個人ビジネスで75歳まで働けば年金問題も怖くない

ライフシフトにつながる情報共有です。

未来を完全に予測することは難しいですが、客観的事実からある程度見通すことは可能です。

2040年の日本は高齢者ばかり

今日は、ライフシフトがなぜ必要なのか。読後には、未来を見据えて今から準備をしていくことが必要であることを強く意識させられる書籍をご紹介します。

成毛眞著『2040年の未来予測』(2021年、日経BP)』です。

2040年の日本は高齢者ばかりで貧しくなることが書かれています。著者によれば、日本はすでに貧しいとのこと。他国でインフレが進んでいるところ、日本の物価は上がっていないため世界から見ると物価が安い国になっている。それが本格的な高齢化社会を迎えますます貧しくなるだろうとの見方です。労働人口が減少し、国の生産性や経済成長は見込めないので当然のことかもしれません。

貧しいのだから支出を減らせば良いのだが、高齢者が多くなる社会で介護、医療にコストがかかりそれも難しい。若年人口が増えれば、そうしたコストを支えられるが出生率が低下し人口減少社会になっている。1950年には、現役世代12.1人で高齢者一人を支えていたのが、2040年には現役世代1.5人で支えなければならなくなるとのことです。

年金は受給時期を遅らせれば減らない

将来の年金に不安がある方も多いと思いますが年金はもらえなくなるわけではありません。国が破綻しない限り年金制度は継続すると思われます。しかし、制度は継続しても受給できる年金額は少なくなることが想定されます。現役世代男性の平均月収の何%が年金額となるかを示す所得代替率でみてみましょう。2019年には61.7%だったところ、2040年には54.3%まで下がります。2052年には36~38%まで下がる予想です。

そうするともらえる年金額はだいぶ下がるように思いますが、対策があります。現状と同水準の年金をもらうようにするためには長く働くことで年金をもらうタイミングを遅らせることが有効とのことです。1か月遅らせるごとにもらえる年金は0.7%増えます。70歳まで繰り上げた場合、もらえる年金は0.7%×60か月(5年)で142%になります。国は受給開始年齢を75歳まで上げる方向です。75歳まで働いてから年金を受給した場合は、理論的には所得代替率100%となることも可能です。

退職金はあてにならない

年金が減額するのであれば、退職金をあてにすれば良いかもしれません。ところが退職金は給料の後払いのようなもので、安い給料で雇用する終身雇用の時代に成り立っていた制度です。変化のスピードが速い時代には、終身雇用ではなく中途採用、雇用の流動化がますます進むことになります。後払いの給料を待つよりも先に給料をもらう方が良いという労働者ニーズと、優秀な人材を確保したい会社側のニーズから給料が高くなり、退職金が減ることも想定されます。

75歳まで働くには個人ビジネスにシフトするべき

というわけで少なくとも70歳まで、できれば75歳まで働かなければなりません。人生100年時代を迎え、リタイア後のコストが更にかかることも想定されます。ところが、これまで通り、企業に勤めていてはどんどん働く環境は悪化します。高齢労働者の給料は下がります。成果をより求められるようになり、体力やスピードが必要ですが、若い時と同じ体力はありませんからだんだんつらくなってきます。

従って、自分のペースで個性を活かしながら個人ビジネスで働くようにしていく必要があります。そうした働き方をすることで高齢になっても長く働いていくことができるのではないでしょうか。今から準備してサラリーマンライフからのライフシフトをしていかないといけませんね。

不動産には海外マネー流入が期待できる

日本の未来について悲観的な見方が多かったのですが、1点だけ明るい見通しの話しがありました。人口は減少しますが、海外マネーが入ってくるので不動産価格はそれほど下がらないのではないかとのことです。これも海外に比べ割安であるという理由ですのでけっして日本の未来が明るいわけではないのですが、不動産ビジネスをライフシフトの一つの手段として取り入れている場合には、嬉しい記述でした。2030年は不動産価格は上がっているかもしれないとのことです。その先は、やはり人口減少なので下がるリスクを意識しながら不動産ビジネスには取り組みたいですね。