不動産物件の買付検討時にはシミュレーションをしよう!

不動産の物件探しを始めると、まずはインターネットの賃貸用物件サイトで検索するようになると思います。

楽待や健美家などですね。

ここで、注意が必要なのはサイトに出ている利回りはあまり当てにならないということです。

直接利回りと最終利回り

このサイトに掲載されている利回りが高いと収益性が高いように思いますが、この利回りは直接利回りと言って、ただ単純に想定される満室時家賃収入を価格で割っただけです。

ローンの支払いや管理費用、空室のコストなどが全く折り込まれていません。

本来、物件検討時に利回りを確認する場合には、こうした費用を差し引いた後の手残りの最終利益を物件価格で割った最終利回りで見るべきです。

家賃収入から銀行に支払う元本と利息を差し引いて、管理費用や想定される修繕費を差し引いた最終的な手残りのキャッシュフローを求めます。

それから、空室が全くゼロということはありえないので、ある程度空室になることも想定してシミュレーションしておきます。

エリアや物件にもよりますが、私は、だいたい空室率を5〜10%ぐらいで見ています。

想定家賃は現状の周辺相場で引き直す

また、家賃収入は、現在の家賃設定が高い可能性があります。

退去が出て、新たに募集する際には、同じ価格帯では募集できないかもしれません。

現状、周辺で募集している類似物件の家賃相場を確認して、その家賃で検証してみることも必要です。

このようにして、計算した最終利回りが2%ぐらいあれば、私は検討の土台に上げています。

直接利回りが高くても、費用を差し引いたらほとんど手元に残らないということもあります。

従って、物件検討時には、直接利回りではなく、必ずコストを踏まえたシュミレーションを行うべきですね。

初期投資額の回収期間

それから、初期費用を何年で回収できるかという観点での検証も必要です。

当初の初期費用には、仲介手数料、税金、登記費用、火災保険、ローン手数料などあります。

また融資がフルローンではない場合には、一部自己資金を入れることも必要になります。

私は、物件検討時には、最終的な手残りのキャッシュフローを積み上げていったら、これら初期投資額を何年で回収できるかをシミュレーションしています。

だいたい3〜4年で回収できそうなら、検討の土台に上げています。

リフォームで物件価値を上げる場合には売却での回収も想定 

リフォームで物件価値を上げる場合には、売却によって、最終的に回収するシミュレーションを行う場合もあります。

リフォーム費用も含めた初期投資額を家賃収入だけで回収するには、長期になる場合があります。

そういう場合でも、物件価値が上がって売却できそうな場合には、売却額も含めて回収できそうかどうかを検証します。

想定売却価格の算出には、積算法と収益還元法の二つがあります。

積算法は、路線価から土地価格を算出し、そこにリフォームによる建物価値を加算します。

こちらは、土地価格がベースになりますので、やや保守的なダウンサイドの売却想定価格になります。

収益還元法は、想定する家賃を周辺物件の相場利回りで割り返して想定売却価格を見積もります。

いろんな利益が上乗せされている実勢価格の相場利回りで割り返しますので、やや積極的なアップサイドの売却想定価格になります。

積算法による想定売却価格と2~3年の家賃とを合わせて回収できそうなら、十分に勝算ありとみています。