13日、米国の11月の消費者物価指数(CPI)が発表になりました。
現代の資本主義経済は米国中心になっています。
金融マーケットも米国中心です。
そして、金融マーケットは、お金の流れでもあります。
お金の量や動きを調節している中央銀行の金融政策に大きく左右されます。
米国の中央銀行にあたるFRB(米連邦準備理事会)の金融政策に関するニュースは、金融マーケットの動きに直結しますので超重要です。
中央銀行は物価の番人であり、過度なインフレやデフレを抑えることがその役割になります。
13日に米労働省が発表したCPIは物価の動きがわかる統計数字ですのでFRBも注目しているものです。
FRBの動きに関するニュースはチェックするように心掛けましょう。
物価の動きにより金融政策は左右される
14日にFRBが、FOMC(連邦公開市場委員会)を開きます。
これは、金融政策を決める最高意思決定会議です。
14日のFOMCでは、利上げが公表されることになると予想されます。
ポイントは、利上げ幅と今後の利上げをFRBがどこまで必要と見ているかといった点になります。
利上げ幅は、通常は0.25%のところ、11月まで4会合連続で0.75%の利上げが行われてきました。
今回は、0.5%の利上げに利上げペースを緩めることが予測されています。
インフレがやや落ち着きつつあり、11月のFOMCでは、パウエル議長から景気全体を考慮する旨の発言がありました。
また、今後の利上げについて最終到達点をどう見ているかに注目です。
11月のFOMCでは、金利の最終到達点についてこれまでよりも高い水準となることを示唆し、利上げ停止は時期尚早であると釘を刺しました。
こうした、FOMCでの議論において、物価の番人であるFRBは、CPIの結果を重視しています。
FRBが物価が強いと見れば、インフレを抑制するために、利上げの長期化と最終到達点が上昇する見通しのコメントになるかもしれません。
そうしたタカ派的なコメントが出た場合は、企業の借り入れ意欲や設備投資意欲を抑えられて、景気が悪化することが想定されるので、株式市場はマイナスの反応となるでしょう。
一方で、米国金利が上がり、為替は金利の高いところに集まりますのでドル高で反応するでしょう。
反対にFRBが物価上昇がおさまっていると見れば、利上げペースは緩やかなものになり、最終到達点も低下する見通しがでるかもしれません。
前回のFOMCで景気全体に配慮するというコメントがあったことから、物価上昇が落ち着いていれば、利上げを緩めると思われます。
そうしたハト派的なコメントが出た場合には、金利が低下して、経済が活性化することが想定されますので株式市場はプラスの反応を示すでしょう。
一方で、米国金利が下がり、為替は円高で反応すると思われます。
14日のFOMCを控えて株式市場は様子見モード
注目された米国CPIは総合指数が前年比7.1%増と市場予想の7.3%増を下回りました。
前月が7.7%の上昇でしたので、全体的には物価上昇のペースは緩やかになっていると言えます。
内訳を見ると、商品は前年比3.7%増と下がっています(前月は5.1%増)。
一方で、住宅費が前年比7.1%増(前月は前年比6.9%増)、サービス価格は前年比6.8%増(前月は6.7%増)とほぼ横ばいで下がっているとはいえないかもしれません。
ガソリンなど商品価格は下がっていますが、肝心の家賃やサービス価格が下がっていません。
雇用はいまだに強いため、賃金が下がっていないことが要因となっています。
CPI発表後に、NYダウは一時700ドルを超えて上げましたが、その後上げ幅を縮小し、終値では103ドル高で終了しています。
14日のFOMCを控えて様子見モードになっているのでしょう。
14日のFOMCで、FRBがどのような金融政策を打ち出すか、パウエル議長がどのようなコメントをするかを注目してみておきましょう。