今日の気になるニュースです。ライフシフトにつながる気付きがありますように
140円台は1998年以来24年ぶり
円安が止まりません。ついに1998年以来の140円台に入りました。
1998年といえば日本はバブル崩壊後の不況の真っ只中。1997年に山一證券、北海道拓殖銀行が経営破綻。1998年には、永らく昭和の日本経済を支えてきた日本長期信用銀行が経営破綻しました。今でこそ、大手銀行や証券会社も倒産することがあると知っていますが、当時は大手金融機関の経営破綻は信じられないことでした。取り付け騒ぎとなり、店頭に人が殺到する光景は衝撃的でした。
日経平均株価は12,000円台まで下落していました。
一方でこの1998年には小渕恵三内閣が発足し、首相経験者の宮澤喜一氏を大蔵大臣に起用。また、著名な作家の堺屋太一氏を経済企画庁長官にするなど経済対策に力を入れ、少しずつ日本経済が上向き始めました。金融機関も経営破綻で膿を出し、公的資金を投入することでバブル崩壊による不良債権処理に目処が付きつつありました。
こうした背景から、日本売りによって株安、通貨安となっていましたが、少しづつ日本経済が回復し始めて、この後は2000年のITバブルに向けて、株高、円高になっていきます。
2022年の日本は?
ひるがえって、現状の円安の主因は日米金利差の拡大であり、ドル高の側面が強いと言えます。現状の日本は、賃金が上がらず、物価も上がらないため金利が上がりません。むしろまだデフレと闘っているかのように日銀の黒田総裁は頑なにゼロ金利政策を続けています。
円安であれば、輸出企業は有利なはずですが、輸出企業の決算が好調というニュースもあまり聞かれません。コロナ禍でインバウンドも期待できません。何よりも日本の競争力が低下しているように思います。少子高齢化、硬直的な人材市場、意思決定できないマネジメント、金融リテラシー不足の国民、起業家マインドの欠如と日本の競争力の低下要因はいくらでもあがってきます。
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ
バブル崩壊から回復し円安から円高に向かった1998年と比較すると、ここから日本経済が良くなることが想像しづらいですね。
一方で、米国経済がリセッションになって利下げに転換される場合には、金利差縮小するので円高要因になります。リーマンショック後の円高がそうでした。
チャートを見ながら、当時の状況を振り返ることで見えてくることがありますね。歴史に学ぶことが重要です。