米国テック大手決算概要

今日の気になるニュースです。ライフシフトにつながる気付きがあるかもしれません。

米国テック大手GAFAMの4〜6月期の決算が出揃いました。景気後退の懸念が強まる中、世界の主要産業である米国テック大手の足元の状況を見ておくことが重要ですね。また、今後の見通しから将来のビジネスの趨勢が垣間見えるかもしれません。

売上高(億ドル)前年同月比(%)純利益(億ドル)前年同月比(%)
アップル8292194▲11増収減益
アマゾン・ドット・コム1,2127▲20増収減益
マイクロソフト518121672増収増益
アルファベット69613160▲14増収減益
メタ288▲166▲36減収減益

アップルは増収減益。減益は7四半期振り。減益ではあるも売上、純利益ともに市場予想を上回っています。中国のロックダウンの影響やドル高の影響を受けたもののiPhone13が好調で販売増。iPadやMacは供給制限で振るわず。ドル高の影響からiPhoneの値上げをしており、今後の影響を注視です。

アマゾン・ドット・コムは増収減益。売上の伸びは過去20年で最低。2四半期連続の最終赤字と厳しい内容です。主力のEC事業は巣ごもり消費の減速や人件費、燃料費等のコスト高が影響し苦戦。18%出資するEV(電気自動車)リヴィアン・オートモーティブの株価下落による減損損失計上も足を引っ張りました。一方で成長分野のクラウドサービスへの投資を増やし今後の増収見込みを示しました。

マイクロソフトは増収増益但し、売上、純利益ともに市場予想は下回りました。5割を占める米国外の売り上げがドル高の影響を受けています。パソコン事業も中国のコロナ対策による供給面の混乱やインフレによる需要減により売り上げが2%減となりました。企業向けのクラウドサービスが堅調で売り上げの40%を占めるまでに成長。今後もクラウドを軸に堅調な見通し。

アルファベットは増収減益。主力のインターネット広告事業が振るわず2四半期連続の減益となりました。インフレによる景気減速懸念の中、企業が広告費支出を抑えた影響でしょうか。中でもYouTube関連の広告売り上げは5%増と市場予想の7%増を下回りました。TikTokなどとの競争激化の影響もあるようです。クラウドサービス事業は引き続き成長しており広告事業不振をある程度カバーしています。今後も事業の多角化を進める見込みです。

メタは減収減益。減収は上場来初。主力のインターネット広告事業が低調。フェイスブックの利用者も減少。こちらもTikTokなどとの競争激化の影響を受けているようです。売上高の98%が広告事業であり、多角化できていなかったため広告支出抑制の影響が直撃した格好です。また、アップルへの依存度が高く、アップルのプライバシー保護規制によりターゲッティング広告が難しくなっていることも影響しています。メタバース事業を今後の柱にしようとしているが収益化ができずにおり先行投資が重荷になっています。

総じて、クラウドビジネスへの多角化が進んでいるところが景気減速の影響を軽微に留めているようです。メタは現状では苦戦していますが、メタバースの収益化が実現すれば大きく伸びる可能性があり、メタバースのビジネス化の動きも注視していきたいですね。