「つみたてNISA」のメリット5つ

長期・リスク分散で王道の資産形成

人生100年時代の資産形成として、「つみたてNISA」の活用は有効な運用手段です。

年間40万円まで投資により得た運用収益にかかる税金が非課税となります。投資期間は最長20年間です。

年間40万円を20年間積立続けると800万円になります。運用利回りが仮に3%と想定すると収益は294万円になり、非課税ですので20年後には1,094万円が蓄積されていることになります。

運用利回りが2%だとしても182 万円の収益で982万円が蓄積されていることになります。

米国株の指数であるS&P500のチャートを20年以上の長期で見ると右肩上がりになっているのがわかります。

S&P500に連動する投資信託を選択した場合は、おそらく3%以上の高い利回りも期待できます。

毎月3.3万円ずつ積み立て投資することで20年後には1,000万円以上の資産が形成される可能性があるわけです。

もちろん投資は元本確保ではありませんので800万円を下回ってしまうリスクもあることは理解しておく必要があります。

資産運用は、長期投資で複利の効果を得ること、時間分散と銘柄分散でリスクを分散することが王道ですので、「つみたてNISA」は、長期間毎月積み立てを行うことで自然と王道の投資を行っているという資産形成手法になります。

しかも運用益が非課税になるというメリットもあります。

NISA制度には、「一般NISA」と「つみたてNISA」があり、どちらか一方しか選べません。

「一般NISA」では、商品を買うタイミングに判断が入りますし、運用期間が5年となります。5年を超えた場合にはロールオーバーすることも可能ですが、制度が複雑でわかりにくいのでシンプルに自動積立で長期投資となる「つみたてNISA」がおすすめです。

「つみたてNISA」のメリット5つ

「つみたてNISA」のメリットを更に詳しく見ていきましょう。主に5つのメリットがあります。

➊毎月自動的に積立て

毎月、口座から自動引き落としで積み立てられるので給与天引きの貯蓄と同じ効果が得られます。生活費や支出をした後に貯蓄をしようとしてもなかなか貯まらないことは誰もが経験していると思います。

貯蓄をするためには支出の前に積立分を控除して、余りを支出に回すように順番を切り替えることが必要です。

もちろん投資ですから元本確保されていないので貯蓄とは異なり元本割れするリスクがあることには注意してください。

➋時間分散(ドルコスト平均法)

時間分散は最も重要な考え方です。ドルコスト平均法とも言われています。

投資信託の価格は上がったり下がったりしますが、下がったときにも一定の金額を買うことで安く多い口数を買うことができ、平均取得単価を下げることができます。

たいていの場合、個人投資家は下がったときに売ってしまい、勇気を持って買うことは難しいことです。上がっても下がっても自動的に買い付けることで判断の入る余地がなくなり、下がっている時に安く買うことができるようになります。

長期で一定額を時間分散して買うことで取得単価は平均化されます。

➌投資信託による銘柄分散

「つみたてNISA」は金融庁が厳選した投資信託かETF(上場投資信託)のみが投資対象となっています。

投資信託は、集まったお金を多くの株式や債券に分散投資している商品です。個別の株式や債券であれば、発行会社の倒産リスクがあり、万が一倒産した場合には、価値がゼロになってしまいます。

倒産まで行かなくても経営悪化により大きく価値が下がるリスクがあります。

投資信託は、商品そのものが分散投資されていますので、その中の1社が経営不安になってもリスクは相当に限定されています。

リスク分散が投資の基本ですが、投資信託に投資するだけでリスク分散になっています。

一方で、個別株やREITへの投資ができませんので、個別銘柄の選定に自信がある場合には「一般NISA」を使う方が良いでしょう。

➍運用益が非課税

通常、投資信託の運用益には、20.315%の源泉徴収税がかかります。NISA制度は、この税金がかからないのでこれはかなり大きなメリットになります。

冒頭に紹介したシミュレーションで言えば、仮に3%の運用利回りだった場合に20年後の運用益は294万円になりますが、通常であれば約59万円が税金となり手残り収益は235万円にまで下がります。

一方で、損失が出た場合に、他の運用益と相殺する損益通算ができない、あるいは翌年に損失を繰り越すことができません。

➎少額から投資可能・いつでも解約可

「つみたてNISA」は100円から投資が可能です。

またいつでも解約ができ、引き出し可能です。積立て金額の変更もできます。

60歳まで引き出せないiDeCoにくらべて、いつでも引き出せる点で自由度が高いと言えます。

まとめ

まとまった資金を運用に回すほど潤沢な資金がない場合には、「つみたてNISA」を活用して、毎月少しづつ投資していく手法により資産形成することができます。

長期、リスク分散(時間分散、銘柄分散)という投資の王道手法であると言えます。

対象商品が金融庁の基準を満たした手数料の低い投資信託とETFだけであることも安心して投資できる点ですね。

対象商品の選び方については、別の回でご紹介します。