ライフシフトにつながる情報共有です。
これまでにライフシフトがなぜ必要かということを書いてきました。今日は、ライフシフトとはどういったことかを書いていきたいと思います。
3ステージ・モデルからマルチ・ステージモデルへ
リンダ・グラッドン他著『ライフ・シフト 100年時代の人生戦略』(2016年、東洋経済新報社)によれば、ライフシフトは、これまでの3ステージのモデルからマルチ・ステージモデルへのシフトを意味します。
すなわち、「学習期」「就業期」「引退期」の3ステージ・モデルのうち、「就業期」について働く期間は長くなるが、キャリアは流動化する。そして、「就業期」にも学習、余暇が入ってきて「学習期」や「引退期」との線引きがなくなってくる。そうしたマルチなステージを生きていくことになるというものです。
詳しくは、リンクの関連記事をご参照ください。
マルチ・ステージの働き方タイプ
リンダ・グラッドンさんは、そうしたマルチなステージでの働き方のタイプとして以下の3つのタイプをあげています。
「エクスプローラー」は、世界に目を向けさまざまな機会を活用して自分の人生を拓き、エンジョイしていく生き方です。異次元の生活体験を積むことで、より多様な見方や視界を持つことで新たな世界観を手に入れ新しい自分を発見します。
徳岡晃一郎教授の『40代からのライフシフト実践ハンドブック』(2019年、東洋経済新報社)によれば、日本に置き換えると30代後半から40代で転職や海外勤務を経験し、ビジネススクールで勉強。50代では、NPO・NGOでのボランティアも傍らに行い、60代の定年後には海外で中小企業の海外展開を手伝うなり、念願の企業を果たすといったことがサンプルとして書かれています。
私見ですが、あてはまるのはかなりハイスペックな人に限られているような気がします。
「インディペンデント・プロデューサー」は、組織に雇われずに個人事業でコツコツと専門性を極めていく生き方です。自由と柔軟性を重んじて小さなビジネスを起こす生き方と位置付けられます。
こちらは日本に置き換えると会社にいる間に専門性を身に付け、それをベースにプロとして自立して生きていく。自分のブランドを持ってフリーランサーとして活躍するタイプです。コンサルタント、アドバイザー、顧問、専門家、デザイナーなどクライアントを複数持って、独自の価値を提供すると徳岡教授の著書にはあげられています。
多くの人が、このタイプを目指すべきだと考えます。これまでに身に付けた専門性を武器に個人ビジネスで起業していくやり方です。自分らしく主体的に働いていき、経済的に余裕をもって健康も維持していきます。そのうえで社会貢献していくので遣り甲斐も満たせます。
「ポートフォリオ・ワーカー」は複数の仕事や社会活動、教育、勉強、趣味などに同時並行で携わる生き方です。特徴としては刺激と興奮を味わえる反面、非効率となってしまう懸念があります。互いに関連するスキルと能力が要求される活動を選ぶこととリンダ・グラッドンさんは指摘しています。
日本に置き換えると、複業家と言われるマルチプレイヤーで、いろいろな仕事や社会活動、教育、趣味などを多様に組み合わせながら幕の内弁当的なバラエティ豊かな生き方と徳岡教授は書いています。
インディペンデント・プロデューサーからポートフォリオ・ワーカーへ
私は、まずは「インディペンデント・プロデューサー」として働きながら、その専門分野を徐々に複線化していく。あるいは投資と組み合わせて収入口を複線化していくことで、ゆくゆくは「ポートフォリオ・ワーカー」になっていくことが理想的なライフシフトスタイルだと考えます。