マルチステージの人生
従来の3ステージ・モデル(学習期、就業期、引退期)の生き方では、現代社会の環境変化に対応しきれないリスクがあることがわかりました。
それでは、これからの時代にあった人生とは、どのようなものでしょうか。
それは、3ステージの人生のように、年代によって定型化されたものではありません。
もっと自由に、もっと柔軟に、もっと自分らしい生き方を、年代に関係なくマルチに選んでいくことが、現代社会にマッチした生き方になるのではないでしょうか。
仕事を長期間中断したり、転身を重ねたりしながら、生涯を通じて、さまざまなキャリアを積んでいき、その経験と専門性を武器にライフワークにしていく。
一つのキャリアに縛られることなく、自分のためにキャリアを積んでいくことで、長期に渡って自分で稼ぐ力を身に付けていくのです。
そのため、会社との関係はこれまでよりも希薄化し、家族や地域との関係が重要になります。
また、長期にわたって、複数のキャリアを積んで自分の力で稼いでいくために、学習の期間は10~20代だけでなく、生涯継続していくことになるでしょう。
自分の趣味や、好きなことに配分する時間も老後に集中するのではなく、人生の全体に渡って自分時間を満喫しながら、活力を維持していきます。
このようなマルチステージの生き方について、今回は詳しく見ていきましょう。
働く期間の長期化
働く期間を長期化するためには、自分の人生のミッションとなるような仕事をライフワークとして、取り組むことが理想的です。
これまでのように長時間労働や転勤を重ねて、心身ともに消耗させながら働くことは、60歳定年までが限界かもしれません。
AI化や企業の国際競争激化によって、サラリーマンが働く環境はますます厳しくなります。
人生100年時代を迎えて、60歳以降も働くためには、自分の個性を強みとして活かしながら、社会貢献していく働き方が理想的です。
そのためには、会社に頼らずに、自分で稼ぐスキルとノウハウを身に付ける必要があります。
複数のキャリアや経験を積んで、広い視野を持つことが大事になります。
また、オンリーワンの存在になって差別化していくためにも、複数のキャリアを掛け算することで、希少性が高まっていきます。
従って、思い切ったキャリアチェンジや違う世界へ飛び込んでいくチャレンジが必要になります。
その際に、一旦休んで勉強する期間を設けるといったようなキャリア形成の仕方もあるでしょう。
あるいは、働きながら副業に取り組み、スキルを身に付けていくというやり方もあるでしょう。
このように、今までのように新卒から定年まで同じ会社で働くという単一的なキャリアではなく、複数の経験やノウハウをさまざまなスタイルで積み上げていくことが新時代の働き方になると思います。
そして、複数のスキルを掛け合わせてオンリーワンの存在になり、自分で稼ぐ力を蓄えていくマルチなキャリア形成が人生100年時代に合った働き方と言えます。
家族や地域との絆
従来の3ステージ・モデルでは、就業期には、ほとんどの時間を会社のために費やしていたことが一般的でした。
一方で、家事や子供の世話などは、女性が中心となって担うという家庭が多かったのではないでしょうか。
そうなると稼ぐ力が半分になってしまいますし、家事や子育てで女性が疲弊していくこともあり得ます。
これからは、長期間にわたって、家族で支え合い、協力して稼いでいく体制をつくることが大切です。
収入源を二つにするという意味でも、夫婦で協力しながら稼げるようにしていきたいものです。
そのためには、ある一定の期間は仕事を減らして家庭のことをする時間を取ったり、家族のために使う時間を多くしたり、柔軟な働き方を選択することが重要です。
特に、人生後半には家族で協力し合いながら、お互いの強みを活かして、ファミリーのプライベートカンパニーをつくって稼いでいく形態が理想的です。
そして、夫婦ともにやりがいのある仕事を持って人生を送ることで、家族関係も良好になり、幸せな人生を送ることができるのではないでしょうか。
また、会社との関係は希薄になりますので、こうした家族や地域との関係が重要になります。
地域でも、自分の強みを還元することで貢献し、コミュニティなどで人的ネットワークを構築することで人生が豊かになることでしょう。
このように、人生100年時代には、家族や地域との良好な絆を通じて、人生の質を高めていくことが重要なことになってきます。
生涯学習
新しい時代の学習は、若年時だけではなく、生涯にわたって継続的に学習することが大切になります。
稼ぐためのスキルやノウハウの習得は、時代の変化とともにアップデートしていく必要があります。
また、スキルやノウハウに限らず、自分の知的好奇心や社会貢献につながる知見を修得することは、人生の満足感にも関係していきます。
生涯にわたって、人生を豊かにするために、ビジネスに直結することに限らず、自分の人生のミッションをやり遂げるためにつながることを何でも勉強していくことが重要です。
その中には、人とのコミュニケーションややコーチングなどの対人関係スキルの学びも含まれてくるでしょう。
また、こうした生涯学習は、座学だけではなく、実践的に経験しながら学ぶことも重要です。
そして、学んだことを、アウトプットして発信することで、社会に貢献できます。
また、アウトプットすることは、自分の知識の整理と定着にもつながり、専門性を高めていきます。
余暇
新時代のマルチステージ人生では、時間の使いかたがとても大事になります。
変化の激しい時代に、自分の力で稼いでいくためには、常にポジティブな気持ちで行動していくことが求められます。
そのためには、心も体もリフレッシュしながら、良い状態をキープすることが大切です。
従来の3ステージ・モデルでは引退期に集中していた余暇の時間を、年代に関係なく、働きながら十分に確保することが必要になってきます。
働く時間を目一杯とりすぎることなく、余裕を持った働き方をしながら、自分のために使う時間を確保して、明日への活力とすることがとても大事なことになるのです。
自分の好きなことや大切にしているものに使う時間を確保することが、人生100年時代を幸せに生きるための重要なファクターになります。
能動的に活動して、自分の余暇のために使う時間を確保し、活力を維持することによって、明日の生産力が高まることにつながります。
まとめ
人生100年時代を幸福感の高いものにしていくためには、従来型の定型化された3ステージ・モデル(学習期、就業期、引退期)では、限界があります。
年代に関係なく、複数のキャリアを形成しながら、多様な生き方をしていくマルチステージの人生にシフトしていく必要があるのです。
そのためには、長期にわたって個人の力で稼げるような働き方にシフトしていかなければなりません。
思い切ったキャリアチェンジや、副業によってマルチなキャリアを形成して、オンリーワンの専門性を身に付けていく働き方にしていくことが大事です。
また、その過程では、会社との関係は希薄化しますので、家族や地域との絆が重要になります。
家族の協力を得て、家族全体の稼ぐ力を高めていくのです。
地域での貢献を通じて、コミュニティなどでのネットワークを構築することも人生を豊かにします。
学習は、若年時だけでなく、生涯に渡って継続するものになります。
その学習内容は、ビジネスのスキルやノウハウのアップデートはもちろんのこと、人生をより深くするものや、人的コミュニケーションに関する学びも必要になります。
そして、座学だけではなく、実践による経験学習も必要となり、学んだことをアウトプットして発信していくことで、より専門性を高めていくことができます。
余暇の時間は、引退期に集中することなく、余裕を持った働き方をしながら、自分の好きなことや大切なものへ使う時間を確保し、明日への活力を維持していきます。
こうした、マルチな生き方にシフトしてくように、日々の行動習慣から意識して変えていきましょう。