過度にリスク分散せずに米株インデックス投資で高リターンを狙う

リスク分散はどこまで必要か?

今日は、投資について考えてみようと思います。

投資において、重要なことはリスク分散であると言われます。

同じかごの中に卵を全部乗せてはいけない。かごは分けるべきというのがよく言われる話です。

しかし、リスクを分散するということはリターンを低くすることでもあります。

どちらかが下がったときにどちらかが反対の動きをしていればトータルとしての下げ幅は小さくなります。反面、どちらかが上がっていても他のものが下げることになれば、トータルとしては上げ幅が小さくなります。

リスク分散は、守りの運用をする場合には有効ですが、ある程度増やすことを目的として攻める運用をする場合には、集中投資することも必要だと感じます。

個別の事情により運用スタイルは異なるはず

そもそも運用の目的は、保有する資産背景やライフイベントなどそれぞれ置かれている立場によって変わります。

運用資産額を決める際には、保有する資産を全体的に把握して、子供の教育費や住居に関する出費等、ライフイベントにかかわる大きな支出の予定を考慮します。

運用は損をするリスクもあるため、こうした重要なライフイベントにかかわる支出分は確保しておき、残った余剰資金で運用することになります。

こうして運用資金が決まり、どの程度の期間使う予定がない資金であるかによって運用する期間を決めていきます。

このように運用する資金や運用期間は個別の事情によって変わってきます。

個別の事情を反映した運用資金や運用期間に応じて運用スタイルも異なります。それをすべて一緒に考えてしまっているがために、どんなケースに対しても過度にリスク分散することが推奨されることになってしまっているのではないでしょうか。

富裕層向けの分散ポートフォリオでは増やせない

世の中に出回っている投資に関する本や教材などは、個別の事情は勘案せず一般的なことが書いてあります。

ある程度、読者のターゲット層は絞られているかもしれませんが、資産規模やライフイベント、運用期間などは個別に違いますので一般論では当てはめられません。

もっとあてにならないのは、銀行や証券会社の提案です。基本的には、収益を最大化するために彼らがターゲットとしているのは背景金融資産1億円以上の富裕層です。

何億円も保有していて、これ以上増やさなくて良い人たちと数百万円から始めて増やしていこうとする人とでは運用スタイルが全く異なります。

それなのに、銀行や証券会社の商品ラインナップは、富裕層向けのものが揃えられています。手数料ばかり掛かって儲かりません。

富裕層は資産を減らさずに少しずつ増えれば良いというスタンスです。少しといっても元手が大きいので、利回りが低くても金額としてはリターンが大きくなります。

従って、比較的低リスクである先進国債券での運用が中心になります。

株式との分散投資ポートフォリオを組むことになりますが、どちらかというと債券が多めです。

そして一部をREITやコモディティ等のオルタナティブ、新興国の債券や株に分散するという感じでしょうか。

イメージ、先進国債券60%、先進国株式30%、REIT等5%、新興国債券5%といったところです。

このポートフォリオの期待利回りはおそらく3%ぐらいです。リスクを抑えるため債券を多めにしたポートフォリオにしているためリターンも少なくなります。

数百万円の人がこれと同じやり方でポートフォリオを組んだとするとリターンは手数料でほぼなくなってしまいほとんど増えません。

高リターン実績の米国株投資

富裕層ではない場合は、株式のウェイトを上げてリターンを増やしたいところです。教育費等のライフイベントに想定される資金は別途確保しており、この運用資金は余剰資金のはずですから、ある程度リスクをとってリターンを狙うべきでしょう。

但し、株式でも新興国株式はリスクが高すぎるので組み込むべきではありません。政情が不安定ですし、為替のリスクも大きいです。また、低成長の日本株も高いリターンを期待しづらいです。

増やすべきは米国株です。過去30年のチャートを見れば一目瞭然ですが、長期では右肩上がりで上がっています。

リーマンショック時の下落は短期的には大きなものですが、長期で見ると現在の株価はリーマンショック前よりも上がっています。

インデックス投資による銘柄分散と時間分散

また、リスク分散は債券などへのアセットクラスの分散ではなく、銘柄分散が重要です。米国株への投資と言っても個別株ではなく、インデックス型の投資信託への投資が望ましいです。

S&P500は、米国の優良企業500社の株価を指数化したものですので、十分に銘柄分散が効いています。

個別株を分析する時間があり、自信のある銘柄がある場合はいくつか個別株を持っても良いかもしれませんが、そうでなければ多くの銘柄に十分にリスク分散されているのと同様のS&P500のインデックスファンドにするべきでしょう。

こうしたインデックス型投資信託は手数料も安いのでポートフォリオの中心とすべきです。

時間分散も重要なことです。買うタイミングは一回にするのではなく、何度かに分けて買うべきです。タイミングを分散することで、最初に買ったときから下がった場合に買い増しすることで買付平均単価を下げることができます。

相場はどう動くか予測することは難しいので、時間分散は有効な手法です。

まとめ

債券を多めにしたポートフォリオによるリスク分散は、資産を多く持つ富裕層が取る運用スタイルです。

ライフイベントに備えた資金を確保したうえで余剰資金で運用する場合には、ある程度リスクを取ってリターンを狙いたいです。

とはいえ、狙うのは過去の実績から見てリスクが低く高リターンが狙える米国株投資とするべきです。新興国株はリスクが高く、日本株は低パフォーマンスです。

地域は米国に集中しても、銘柄分散は重要なので、投資信託で運用するべきです。S&Pインデックスファンドは十分にリスク分散されています。

時間分散も重要なので買うタイミングを分けていくことも重要です。

銘柄分散されたインデックスファンドに時間分散して投資していけばリスク分散になっています。債券や米国以外の地域の株式にまで過度に分散することでリターンを低くすることにならないようにしたいですね。