気になる金融マーケット関連情報です。
15日、バイデン米大統領はサウジアラビアのムハンマド皇太子と会談し、原油の増産を要請したと伝えられました。
しかし、この報道を受けても原油価格は値上がりしています。明確な増産方針が明らかにされていないためと言われています。
11月の中間選挙を控え、国内のインフレへの不満を解消するため、サウジを訪問し原油価格の高止まり解消を図ったバイデン大統領ですが、明確な成果とはならなかったようです。
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やはり近年の米国とサウジアラビアとの関係は複雑化しており一筋縄ではいかないようですね。
伝統的に米国とサウジアラビアは協力的な関係にありましたが、近年では米国がシェールオイルの開発により自らも有力な産油国となったため関係が微妙に変わってきています。
その関係が一層、複雑化したのが、2018年のサウジ記者カショギ氏の殺害事件です。カショギ氏はムハンマド皇太子に批判的だったため殺害にサウジ政府が関与しているのではないかとの疑惑が持ち上がりました。
当時のトランプ大統領は不動産ビジネスでサウジ王室との関係が深く、ムハンマド皇太子の関与を認定しませんでした。
ところが、2021年にバイデン大統領が就任すると、「ムハンマド皇太子が殺害計画を承認した」とする報告書を公表し、米国の立場が一転しました。今回の訪問でも原油の増産を要請するとともにカショギ氏殺害事件にも言及したとされています。
こうした背景がありますからサウジ側もそう簡単には米国と協力体制を敷くということにはならないようです。
原油価格は6月に1バレル120ドル台まで上がりましたが、7月14日には90ドルまで下がっていました。会談後、15日は一転、99ドルまで上昇しています。
米国消費者物価指数は上昇しているもののエネルギーや素材価格は上昇が止まりつつありました。
インフレの状況により米FRBの金融政策は影響を受けますので、今後もこうした原油を巡る各国の動向には注目です。
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