銀行に説明する資料を準備する(1)

事業としての取り組みを銀行に理解してもらう

昨日は、不動産ビジネスを進めるうえで融資制度の活用方法についてご紹介しました。

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プロパー融資を受けられるようになるためには、投資ではなく事業として取り組んでいることを銀行にも理解して頂くことが重要です。

今日はそのために銀行に提出する資料についてご紹介します。

金曜日に信用金庫に融資の打診に行った際には、アポイントが入ったのが前日の夕方でした。

そこから慌てて資料作りをし始めたのですが、ある程度、資料のフォーマットが出来上がっていたので最新の情報に更新するだけで済みました。

何事も準備しておくことが重要ですね。

準備しておきたい銀行に提出する資料

銀行に提出するために準備しておきたい資料は大別すると以下の3つです。

  • 企業概要書(法人の概要を説明するもの)
  • 事業計画書(融資を受ける事業について説明するもの)
  • 物件資料

➊企業概要書

企業概要書には、会社の概要、決算の概要、所有物件の情報、借入の状況、代表者個人の情報、金融資産の状況を記載します。

会社の概要

設立の年月日、物件購入の経緯等を記載します。創業の動機や経営理念も記載しておくと良いですね。

決算の概要

決算書をコピーして持っていくのは当然ですが、この企業概要書にも決算内容のサマリーを記載しておきましょう。

不動産ビジネスですから、バランスシートはほぼ不動産と借り入れしかありませんので、それは、次項以降に詳細を記載するとして、ここで記載するのは損益計算書とキャッシュフローのサマリーです。

過去の実績、今期の見込み、来期以降の計画を記載しましょう。今期の見込みについては、試算表もあれば添付しましょう。

損益計算は、家賃収入、管理費等のコスト、返済利息、物件購入に掛かった諸費用、租税公課を記載しましょう。そして、ここがポイントですが減価償却費控除前の利益を書いておきましょう

減価償却費は実際にキャッシュアウトするものではありませんので控除前にどれだけ利益が出ているのかを示すことが重要です。

もちろん、決算書上の当期純利益も記載し、減価償却費控除後でも黒字であることを示しましょう。

キャッシュフローも合わせて記載しましょう。キャッシュフローには損益計算書に反映されていなかった融資返済元金が反映されます。一方で減価償却費は反映しません。正味の手残りキャッシュがどれほどになるかを明らかにします。

所有物件の情報

これまでに購入している物件の情報を記載しましょう。物件の所在地、土地、建物の面積、建築時期、満室時家賃収入、現状の入居状況等です。

借入の状況

これまでの金融機関からの借り入れ情報を記載しましょう。借入残高、残存期間、金利等です。

ここで、ノンバンク融資が入っているとマイナスに見られる可能性がありますので、初期段階で融資が出やすいからと言って安易にノンバンクから借入することは、極力避けましょう。

代表者個人の情報

ここでは、代表者個人の情報を記載します。妻を代表にしている場合は、その家族の情報として自分の情報も記載しましょう。

生年月日、家族構成、勤務先、勤続年数、過去3年分の年収等です。勤続年数が短い場合は転職の履歴やアピールできる資格等もあれば記載しておきましょう。

金融資産の状況

預貯金の状況を記載しましょう。法人、妻、自分の口座の分に加えて子供の口座に分けているものがあれば、それもここには記載しましょう。

もし、把握することができるのなら親や家族の金融資産も記載しましょう。

実際に使うことはなくても資産として保有していることを示すことが大切です。

株や投資信託、外貨などの運用商品も流動性の高いものはいざというときには売却して金銭の代わりになりますので記載しましょう。

実家が持家の場合には、それも記載しても良いかもしれません。とにかくプラスになりそうな情報をかき集めて書いておきましょう。

長くなってしまいましたので、続きの➋事業計画書、➌物件資料については明日にしますね。

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