不動産賃貸ビジネスの初期段階に取り組むべき物件タイプは?

再現性の高い不動産賃貸ビジネス

副業として収益化しやすいのは不動産賃貸ビジネスです。不動産賃貸業は、江戸時代からある事業と言われていますからその再現性の高さは折り紙付きです。

不動産は、物件それぞれが特徴を持っており、個別性があるところが面白いところです。一方で、その物件タイプによってビジネスの取り組み方も違ってきますので、不動産ビジネスと言っても一概には言えないところがあります。

まず、副業として始める場合に、どのような物件タイプによる不動産ビジネスが向いているのでしょうか。物件タイプ別の特徴を見ていきましょう。

ご紹介するのは不動産賃貸ビジネスの4つの物件タイプです。

  • 中古アパート
  • 中古戸建て
  • 中古区分マンション
  • 土地から新築

不動産賃貸ビジネスの物件タイプ別特徴

不動産賃貸ビジネスを物件タイプ別に大きく分類した場合に、その特徴を見ていきましょう。

➊中古アパート

中古アパートは、不動産賃貸ビジネスとして最もオーソドックスな物件タイプです。

フルローンが組めれば、初期費用は10%ほどで済みます。最初は、3,000万円ぐらいの規模の物件を狙うことになると思いますので、そうすると必要な自己資金は300万円ぐらいになります。

但し、銀行はフルローンを出すにあたって、手元に十分な余剰資金があることを求めます。いわゆる見せ金というやつです。物件購入価格に投入しないとしても手元流動性としてトータル1,000万円ぐらいは必要かもしれません。

中古アパートでも築浅物件と築古物件がありますが、融資を受ける銀行によって狙う物件が変わってきます。

収益還元価格を重んじる銀行では、築浅で収益力の高い物件に融資が出やすくなります。反対に積算価格を重んじる銀行では、築古で土地価格が高めの物件に融資が出やすくなります。

収益還元価格とは、想定家賃収益を周辺相場から想定される利回りで割り返して価格を算出する手法です。積算価格というのは、土地と建物の現在価値から評価額を算出する手法です。

アパートローンという安定収入の見込めるサラリーマン属性に対して融資を出す銀行がありますので、その銀行が重んじる物件の評価手法にあった物件を探すことになります。

3,000万円ぐらいの規模ですと木造か鉄骨造りになりますが、規模の大きい鉄筋コンクリート(RC)造りの中古アパートもあります。部屋数が多くなり、一気に大きな家賃収益が見込めるので将来的には取り組みたいところです。

但し、物件価格は一億円規模になりますから、いきなり最初に取り組むのはリスクが高いと言えます。経験を積んでから取り組むべきでしょう。

➋中古戸建て

中古戸建ては、物件価格が数百万円台で買えますので、自己資金が少ない場合に最初に不動産賃貸ビジネスに取り組む際におすすめのビジネスです。

中には100万円台、200万円台のような物件も探せばありますので、少額から始めたい場合には良いと思います。

金額が安いと築古になりますので、リフォームが必須となります。最初はプロのリフォーム業者さんと一緒に取り組んだほうが良いでしょう。

また、築古ですし小規模すぎて銀行が敬遠しますので、物件価格は現金で買えることが望ましいです。

物件を現金で購入して、リフォーム費用を日本政策金融公庫や信用金庫で借りるケースが多いと思います。

物件探しや契約、リフォーム費用捻出等の手間はアパート物件に取り組むのと変わりません。手間が掛かる割に収益の絶対額が少ないのが難点ですが、最初はリスクを抑えて少額から始めるべきですので、かかる手間も経験値を高めるためと割り切りましょう。

➌中古区分マンション

中古区分マンションも比較的、少額から投資できますので、初期段階におすすめのビジネスです。

高めの賃料が想定される立地で、築古で割安な物件を探すことがポイントになります。

築古でも木造の戸建てに比べて、RCのマンションであれば建物はしっかりしていると思われますので、修繕リスクをそれほど気にしなくて良い点がわかりやすく取り組みやすいと言えるでしょう。

こちらも戸建てと同様に手間が掛かる割に収益額が小さいですが、リスクも小さいと言えます。

➍土地から新築

ある程度のスキルが必要になりますが、土地を買って新築を建てるやりかたもあります。

この場合、新築でこれから建物を設計するということになりますので、ターゲットとして狙う入居者層に応じた物件をオーダーメイドでつくることができます。

工務店さんに建築依頼するので、建築に関するノウハウが必要なのとコストをどれだけ抑えられるかがポイントになります。

リスクとしては、建築期間の工務店さんの信用リスクを負う点があります。建築中に工務店さんが倒産してしまうリスクです。

また、土地購入からしばらく収益が入らない点がリスクとしてあります。

こうしたリスクはありますが、新築物件をオーダーメイドでつくれますので、入居付けに苦労することは少なそうです。

銀行融資が受けられる状態にあるのであれば、不動産ビジネスの経験値が上がった段階で是非チャレンジしたい手法ですね。

取り組んではいけない新築ワンルーム

基本的には取り組むべきではないのが、既に建っている新築アパートや新築区分マンションです。

新築建築に対する利益が乗せられていますので物件価格が割高になる一方で、家賃収入はそこまで高くなりませんので割に合いません。

家賃収入は最初こそ中古より高い設定になりますが、徐々に下がっていきます。

特にサラリーマンの節税対策と言って新築ワンルームマンション投資を勧めてくる不動産業者が横行していますが、これは絶対に取り組んではいけませんので注意してください。

そもそも、節税できることがメリットということは儲からないと言っているようなものです。

収益をしっかりと出して税金も払うのがビジネスの基本です。その中で、減価償却費等を費用計上することで収益を圧縮することができれば過大な税金を払わなくて済むというのが本当の節税です。

新築ワンルームは購入費用が高い割に家賃収入が少なく収益が出ません。赤字になるので節税できるというのでは何のためにやっているのかわかりません。本末転倒です。

まとめ

まとめると、不動産ビジネスの初期段階で取り組むのは、中古戸建てか中古区分マンションから始めるのが比較的リスクが少ないと言えるでしょう。

1,000万円程度の自己資金があれば、中古アパートに取り組んでも良いでしょう。

何度も言いますが、新築ワンルームマンションは絶対に取り組んではいけませんので要注意です。