融資を活用して不動産賃貸ビジネスを拡大する

不動産ビジネスの初期段階で活用する融資は?借りる順番が重要

金曜日は、信用金庫に融資の打診に行ってきました。先日、参加した空き家再生ツアーで良い物件に巡り会えたので買付申込をしています。

買付申込額と売主さまの希望売却額との間にまだギャップがありますので、これから交渉になります。一方で融資の検討には時間が掛かりますので、並行して打診しているというわけです。

物件購入価格自体は、現金で購入する予定です。高い家賃設定を維持するためにリフォームにかなりのコストをかけますので、リフォーム資金分の融資を信用金庫に打診しました。

前回、購入したガレージ物件も現金で購入し、リフォーム資金を日本政策金融公庫からの融資でまかなっています。

今日は、不動産ビジネスの肝である、融資について見ていきます。

銀行によって提供する融資の性格が異なりますが、不動産ビジネスの初期段階ではどの融資を活用するべきか、そして、そこから実績を積み上げて次のステップでどの融資にチャレンジしていくべきかを整理しています。借りていく順番が重要になります。

不動産ビジネスに対する融資の種類

不動産ビジネスに関する融資には大きく分けて以下の2種類があります。

  • アパートローン ⇒ サラリーマン属性のような個人の信用力への融資
  • プロパーローン(事業性融資) ⇒ 不動産賃貸事業に対する融資
  • 公的制度融資

➊アパートローン

前者のアパートローンは、個人の信用力に対する融資になりますので、高属性のサラリーマンが最初に借り入れをするのに向いています

個人といっても資産管理法人を作って、法人で融資を受けることもできます。この場合、実際には設立したばかりの法人に信用力はありませんので、代表者やその家族の信用力を重視します。

高属性の定義は銀行の審査目線ですので、銀行によって、またタイミングによって変わります。

オリックス銀行や静岡銀行が有名ですよね。ホームページを見ると、いずれも勤続3年以上が要件になっています。年収基準は、オリックス銀行は500万円以上、静岡銀行は100万円以上となっています。

これらはあくまでも申し込みできる最低基準ということでしょうから、実際のところはご相談してみないとわからないところはありますね。

不動産賃貸ビジネスの実績がなくても借りられるところや比較的自己資金が少なく済むところが利点です。

一方で、借入金額の上限がありますので、最初の1〜2件で上限に達し、それ以上は借りられなくなってしまいます。

従って、今後ビジネスを拡大していくフェーズにおいては、プロパーローンを借りられるようになる必要があります。

最初は、アパートローンから入ってもいいのですが、将来的にはプロパーローンを借りられるようにアパートローンも法人で融資を受けて法人での実績作りを始めることをお勧めします。

➋プロパーローン(事業性融資)

次に、プロパーローンについてです。こちらは個人の信用力に対して融資するアパートローンと異なり、不動産賃貸ビジネスという事業に対して融資するものです。

従って、サラリーマンの副業で不動産投資していますなんてことを言ったら一発で門前払いです。

以前、ある地銀さんに融資打診した際に、何のゆかりもなく不動産投資向けの融資相談の電話がよく掛かってくるが、全く相手にするつもりはないとはっきりと言っていました。

設立した法人所在地の近隣にある地銀や信用金庫、信用組合に相談するのが基本です。

決算が黒字で2~3期以上あることなども良く言われることです。それ故、少しでも早く法人化して、法人での不動産事業の実績をつくる必要があります。

アパートローンも法人で融資を受けるべきと書いたのはそのためです。

これらは、銀行や支店によっても方針が違いますし、その方針も情勢によってすぐに変わります。そのためにとにかく手当たり次第に電話して相談することで活路が開かれると言われることが多いです。

そのやり方も否定はしませんが、先程の地銀さんのコメントにもあったように、だいたい電話で相談しても一蹴されて終わってしまいます。

スルガ銀行の不正融資問題以来、サラリーマンの不動産投資に対する目線は相当に厳しくなっています。

私は、きちんとアポを入れて、企業概要書、事業計画書、決算書、物件資料等を準備した上で訪問してご相談するようにしています。

そのためには、まずは法人化して実績を作ること、決算内容を整えることが重要です。節税対策のために赤字にしては、融資を受けられませんので要注意です。きちんと黒字化して税金も納めるのがビジネスの基本です。

そうして決算を整える一方で、銀行との関係性を少しづつ築いていきたいですね。例えば、法人で口座開設して資本金を預ける、個人の給与振込口座にする、日本政策金融公庫融資の引落口座にする、リフォーム融資等の少額から相談するといったような感じです。

➌公的制度融資

実績が少ないのでプロパー資金での融資ハードルは高いのですが、信用保証協会の保証制度を活用した融資もありますので、相談してみましょう。

信用保証協会の保証が付くことで銀行側も融資がしやすくなります。信用保証協会に直接申し込むことはできずに窓口は銀行になります。

あくまでも銀行と関係性を構築していき、信用保証協会の活用も含めて相談するという形になります。

公的制度融資として、もう一つ、是非活用したいのが日本政策金融公庫です。

こちらは、創業時の事業融資や設備資金向けの融資を受けることができます。期間が長くても10年程度なのと融資金額がそれほど多くは見込めませんので、戸建物件購入やリフォーム資金の融資の際に活用したいものです。

創業時資金等の事業に対する融資となるので、物件についての制限がそれほどなく、無担保になる場合もあります。

公的制度であり創業時等の資金調達を国としてサポートするというのが趣旨ですので、事業としてサポートすべきものかどうかが重要になります。

どういう理念で事業を始めて、どういった社会貢献を目指しているか等を資料を作って説明できることがポイントなります。

まとめ

ゆくゆくは、地元の地銀や信用金庫でプロパーローンを受けられるようにするために、初期段階から法人化してビジネスを進めることが重要です。

初期段階では、多少、高金利でもアパートローンを活用してとにかく法人での実績をつくりましょう。

また、戸建て物件や空き家再生をする場合には、日本政策金融公庫を是非、活用したいです。

そして、少しづつ、地銀や信用金庫と関係を構築し信用保証協会の活用も含めて相談していきましょう。