今日の気になるニュースです。ライフシフトの気づきとなることがあるといいですね。
稲盛和夫さんの著書との出会い
京セラの創業者でJALを再建したことでも知られる稲盛和夫さんが老衰で亡くなられたとのニュースが入ってきました。
稲盛さんの著書を初めて読んだのは、私が22歳のとき、大学を卒業していよいよ社会人として入社する直前の春休みのころです。父親の書棚から失敬して読んだのですが、22歳の私は衝撃を受けました。
就職活動が上手くいかず、それまでの学生人生で誇れるような成果もなく、自分に自信を失っている時期でした。また、ちょうどバブルが崩壊した頃ですから就職氷河期で就職活動を通じて社会の不条理さを体感しつつある頃でした。
就職活動では、何社も落ちて4月から入社する会社は決して希望していた業界ではありませんでした。そうは言っても社会人としての経験を積んで将来、独立するステップにしようと思って少しづつやる気が出ているときでもありました。そんなときに父親の書棚から稲盛さんの『成功への情熱』を見つけたのです。
今日、訃報を耳にして自分の書棚を探してみました。やはり書棚の奥に眠っていました。何度も引っ越しをする中で、多くの書籍を捨ててきたのですが、この本だけは絶対に捨てられない。自分の人生のバイブルと言っても過言ではない一冊なのです。もともとは父親の書棚から勝手に持ち出してしまったものですが。
27年ぶりに『成功への情熱』を開いてみた
表紙カバーはかなり古びていますが、中は綺麗です。開くのはおおよそ27年ぶりになると思います。開いてみると22歳当時の記憶が蘇ってきました。大事なところにはピンクのマーカーが塗ってあります。
22歳の私は、「考え方」がベースにあって、人間としてどう生きるかという哲学が重要であるというところに非常に感銘を受けました。以来、社会人として25年間過ごしてきましたが、学生最後の春休みに読んだこの本が「考え方」のベースとなっています。
考え方×熱意×努力
主なマーカーが塗ってあるところを書き出してみますね。
- 自分自身を客観的に見る素直さを持ち、過去の失敗から学ぼうとする謙虚な心を持って一生懸命努力する
- 一歩ずつたゆみなく歩む
- 人生の結果=考え方×熱意×努力
- どういう心構えで人生を送り、仕事をするか
- 豪快さと緻密さという二律背反するような性格を備え、局面によって使い分ける
- 徳のある尊敬される人間性が、才能をコントロールする
- 今日を大事に生きる
- 人間として正しいことは何なのか
- 正しい道だと固く信じているのであれば、その道がどんなに険しかろうとどんな悪天候に遭遇しようと、その道をまっすぐ頂上まで登るべき
- 物事をあるがままに見ることのできる純粋な心を持つように努力すべき
- 細部にまで注意を払う習慣を身に付ける
- 人としてとるべき道に照らし合わせて不都合がないかということの確認が必要
- 人間社会の道徳・倫理といわれるものを基準として正しいものを正しいままに貫いていく
- 「私利私欲を捨て、世のため人のために」という形の、完全に利他的で純粋な願望を持つこと
- 余裕が充分ある段階においても危機感を持ち必要な行動を起こす
- 「動機善なりや、私心なかりしか」と問う
- 動機が善であり、実行過程が善であれば、結果を心配する必要はない
- 楽観的に構想を練り、悲観的に計画し、楽観的に実行する
動機善なりや、私心なかりしか
今あらためて読んでみると、こうした「考え方」をベースにしてきたので、サラリーマンライフが長く続いてきてしまったのかなと思うところもありますが、これからのファミリーライフでこそ、この「考え方」が重要になると思いました。
今後のライフシフト活動において、常に意識して行動したいと思います。「動機善なりや、私心なかりしか」