ライフシフトにつながる情報共有です。
サラリーマンライフを続けるリスク
昨日までに年金減額への対応として年金受給時期を遅らせることが有効。そのために75歳まで働かなければならないことを書いてきました。そのためには、50代で独立・起業して75歳までライフワークとなる個人ビジネスで働くことが理想的です。そして、その助走期間として40代から副業を始めて少額でも良いので収益化するようにしていきましょうというお話しでした。
今日は、40代、50代でそうしたライフシフトに向けた準備をしないで、これまでと同様にサラリーマンライフを続けていくことのリスクについて書きたいと思います。
定年後継続雇用では給料は半減
多摩大学大学院の徳岡晃一郎教授の著書『40代からのライフシフト実践ハンドブック』(2019年、東洋経済新報社)では次のように書かれています。
現在、多くの日本企業は60歳定年制を導入しています。一方で、公的年金が支給される65歳までは安定した雇用をする必要があり、雇用確保措置の導入が義務付られています。雇用確保措置は①定年の引き上げ、②継続雇用制度の導入、③定年の定めの廃止のいずれかを導入することです。
この3種の制度の中で導入率が圧倒的に高いのが、継続雇用制度です。8割の企業がこの制度を導入しているとのことです。この希望する社員を継続して雇用する制度には、勤務延長制度と再雇用制度の2種類があります。労働条件が原則としてそのまま引き継がれる勤務延長制度に対して、再雇用制度は、一度退職した社員を再び雇用する制度であり、労働条件を新たに定めることができます。従って、再雇用制度が導入する企業が圧倒的に多くなっています。1,000人以上の企業では約9割が再雇用制度のみを導入しています。
こうした実態のため、継続雇用の賃金は大幅にダウンします。定年時給与を100とした場合、7割以下に下がる企業が全体の約60%を占めます。1,000人以上の企業では5割以下となる企業が約37%となります。
また、調査によると仕事内容は、定年時点と同じであるとの回答が約83%もあります。したがって、定年後の継続雇用は同じ仕事内容で給料は半分になるというのが実態です。
下りのエスカレーターに乗るタイプ
こうした実態の中、生活のために継続雇用され、定年後も働く社員のモチベーションが低いことは容易に想像できます。そうしたモチベーションの低い社員への風当たりは強く、社内での居心地は決して良いとは言えないでしょう。精神的な苦痛は、健康を害するリスクもあります。
このように40代~50代に準備を怠り、定年までサラリーマンライフを続けて定年後も再雇用で同じ会社で働き続けることは大変なリスクと言わざるを得ません。
徳岡教授の著書では、こうした下りのエスカレーターに乗ってしまうタイプとしていくつかのタイプを例示しています。
- やりたいことが不明で迷走型
- 会社の看板と自分の力を混同する錯覚型
- リストラでプライドがズタズタの自信喪失型
- 出向転籍でも過去が忘れられず、上から目線の高飛車型
- 自分なりの理屈を押し通し共感を得られない加齢臭型
- クビにならなければいいとぬくぬくする隠居型
私の感覚的には、周りに多いのが「会社の看板と自分の力を混同する錯覚型」と「クビにならなければいいとぬくぬくする隠居型」です。いずれも会社にぶら下がって生きていますので、自らのスキルを高めたり、自分の力で稼ぐという発想がありません。
何歳になっても学ぶ姿勢が大事
こうならないように、副業にチャレンジして少額でも自分の力で稼ぐことを始める必要があります。そのためにはスキルの修得や勉強が必要です。ライフシフトは、勉強は若年時だけだったかつての3ステージモデルからマルチステージへのシフトです。何歳になっても学んでいくことが重要ですね。