空き家問題

今日の気になるニュースです。ライフシフト活動につながる気づきがありますように。

空き家の増加

約849万戸ある我が国の空き家問題。あらためて2023年には住宅総数が総世帯戸数を1,000万戸上回ると報じられました。野村総研によると2038年には空き家は約2,303万戸に達するとのことです。

空き家が増えている要因は、以下のことが考えられます。

  • 昭和の住宅不足の時代に住宅新築が進められた
  • 人口減少時代の現代になっても新築中心の住宅政策は変わらず
  • 中古物件の不人気(米国では約80%の中古物件シェアが約14%)
  • 解体のコスト
  • 更地にすると固定資産税が高くなる

空き家の有効活用

空き家が増えて、賃貸需要に比べて住宅供給が多くなり不動産賃貸ビジネスにとってはマイナス要因のようにも思えます。

ところが、空き家はそのままでは住める状態にはないので住宅供給にはなりません。どちらかというと新築物件を購入することが難しく安価で良質な物件を求めている入居者への供給物件は不足している状態なのではないかと思います。誰もが新築物件を買えるわけではありませんし、ローンを組んで購入することへの抵抗がある人もいるでしょう。

空き家を再生して住める状態にして、こうした需要に対して供給することが求められているのです。今後、ますます増えてくる空き家を再生して有効活用することがこの国の重要な課題の一つだと感じます。

中古戸建のニーズ

私は、33歳のときに3LDKの新築マンションを購入しました。購入時には、妻と小学校入学前の子供2人と4人家族です。子供が小学生のころは、3LDKでも十分な広さだったのですが、中学生になりそれぞれ個別の部屋が必要になってくると、狭さを感じるようになってきます。また、マンション生活はセキュリティは万全、共用部のメンテナンスの必要がない等の暮らしやすさがある反面、近隣の住人とはすぐに顔を合わせますし、騒音にならないようにTVの音量には気を遣う等の暮らしにくい面もあります。

戸建てだと間取りにもよりますが、ある程度の広さはありますし、隣の家と少し離れていますから騒音等はそんなに気を遣わなくても大丈夫です。妻も戸建ての方が暮らしやすい面があるというようなことを言っていました。このように、中古でも戸建て居住のニーズはあると思いますが、市場で供給されるのは新築ばかりで中古は少ない状況です。戸建ての賃貸物件もそれほどありません。

空き家再生の意義

空き家を上手にリフォームして、賃貸物件として貸し出せば一定の居住ニーズはあります。

また、空き家を再生することで、既存の資材を有効活用しますので地球環境にも良いです。それから、地域の治安維持にも貢献します。暗い空き家がそのまま放置されているのは気味悪いですよね。私も、中古戸建てに引っ越した時、お隣さんからまず言われたのが、「良かった。空き家の状態がずっと続いていて嫌だったのよ」とのことでした。

こうした空き家再生のメソッドは、大熊重之著『空き家・古家 不動産投資で利益をつくる』に詳しく書かれています。