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金融庁と証券取引等監視委員会が販売実態を調査
金融庁と証券取引等監視委員会が仕組債の販売実態を調査すると報じられました。苦情やトラブルが相次いでいるとのこと。
仕組債はそんなに怪しい商品なのでしょうか?
商品が悪いわけではなく、その商品のリスクをきちんとわかっていない人が販売していること、あるいはこっちのほうが悪質ですが、わかっていてもきちんと説明せずに販売していることが問題だと思っています。
仕組債の特徴
仕組債は、その名の通り、債券です。普通の債券との違いは、デリバティブを活用して利率を高くする仕組みを組み込んで作られる債券です。一般の債券よりも大きなリターンが得られるところが特徴です。
デリバティブによりリターンが高まる一方で、リスクをとる仕組みを組み込んでいますので、リスクが表面化した場合には、大きな損失となる可能性があります。例えば株式系の仕組債では株価が大きく下がった場合には債券として償還されずに、株式になって償還されるという仕組みが組み込まれています。株式として戻ってきた場合は大きく株価が下がっている状態ですので、株価が戻らなければ売却するときに損失となるのです。
ここで、仮に株価が戻った場合でも株式として償還された際の時価が取得価格となって、そこからの上昇分は売却益として税金がかかります。債券購入価格まで戻っていなかったとしてもです。トータルでは儲かっていないのに変ですよね。
また、仕組債は特別にデリバティブを組み込んで作り込んでいますので、一般的な債券のように簡単には売却できません。買いたい人は限定されます。償還を迎える前に売りたくなってもなかなか売れないのです。売れたとしても購入時よりも大きく下がった価格でしか売れないということもあります。こうした流動性が低いというリスクも十分に理解しておく必要があります。
リスクの把握が重要
こうした仕組債のリスクをわかった上で購入していれば、そのリスクに見合うリターンを得るわけですから何の問題もありません。
問題は、こうしたリスクがきちんと説明されていないことです。特に銀行窓口で購入する場合には、証券会社の営業マンに比べて銀行の窓口担当は専門的な知識が乏しい場合が多いですから、こうしたリスクをきちんとわかっているのか、正しく説明できているのか疑問です。
こうした商品をリスクをわからないまま買わないようにするだけで資産がだいぶ守られますので、リスクを正しく理解することが重要です。