諸費用及び見せ金
不動産ビジネスを始めるには、諸費用分の資金が必要になります。ひと昔前には諸費用分も含めて融資を受けることができたという話しもよく聞きますが、現状では物件価格を超えるオーバーローンは難しいですね。
諸費用には、不動産業者へ支払う仲介手数料、銀行への融資手数料、登記費用、不動産取得税、火災保険料等があります。物件価格の7~10%程度になると思います。
また、現状では物件価格の100%のフルローンを出してくれる金融機関も限定的ですが、フルローンが認められるとしても、金融機関は審査の際に自己資金が手元に十分あることを求めます。諸費用等や物件購入に投入する資金ではないのですが、空室リスクや老朽化による修繕リスク等に対応できるようにするために余剰資金があるべきだということですね。いわゆる見せ金というやつです。
こうした諸費用や見せ金分として、やはり不動産賃貸ビジネスを始める際には、ある程度の自己資金が必要です。
お金を使う順番を変える
自己資金を確保するためには、どうすべきか。まずは、考え方を切り替えることが必要です。
大ベストセラー、ロバート・キヨサキの『金持ち父さん・貧乏父さん』では、資産は収益を生むものだと言っています。したがって、収益を生まないものは資産ではなく費用ということになります。
自宅不動産や高級車は、自分のためのものであり収益を生み出しません。これらは資産ではなく、費用なのです。
まずは、収益を生む資産にお金を使うべきです。自分のためのぜいたくな出費は、収益を生み出す循環ができた後で良いのではないでしょうか。この順番が逆になっていることが多いと思います。まず、自宅や高級車を買って、その支払いに追われて自己資金がないケースが多いのではないでしょうか。
収益を生み出す資産は、わかりやすいものは賃貸用不動産ですが、自分への投資も将来の収益になります。知識やスキルは目に見えない無形資産ですが、こうした知識やスキルによって将来の収益を生み出す可能性が高まります。
賃貸用不動産や知識・スキル修得への自己投資がまずはお金の使い道の最初にくるべきです。持ち家購入や高級車購入はそのあとで良いですね。この順番を入れ替える。その意識を持って収益を生まないモノへの過度な出費は控える。こうした考え方の切り替えが自己資金蓄積に一番重要なことだと考えます。
私は、賃貸ビジネスをやるんだと決めた後、自宅と車を売りました。順番が逆だったと思ったからです。
今、売れるものがなくても、今後、収益を生まないものへの出費を抑えていけば自己資金は貯まっていくはずです。
ただし、ぜいたくのようでありながらケチってはいけない出費があると思っています。それは普段の食材と検査・医療費です。最も重要な資産である時間を生み出す健康は何よりも大切ですから食材にはこだわり、検査も必ず受けましょうね。