気になる金融マーケット情報です。
ゴールドマンサックスの大幅減益が発表され米国大手金融機関の4~6月期の決算が出揃いました。大手6社全てが減益となっています。
投資銀行のゴールドマンサックスとモルガンスタンレーは大幅減収減益となっています。
投資銀行の主たるビジネスは債券や株式の引受とM&Aです。債券・株式市場が低調だったため新規発行を行う企業や積極的なM&Aを行う企業が少なかったと思われます。
純営業収益 | 純利益 | |
モルガン・スタンレー | 131(▲11%) | 24(▲29%) |
ゴールドマン・サックス | 118(▲23%) | 29(▲47%) |
単位:億ドル()内は前年同期比増減率
一方で商業銀行は大手4行の内、3行は増収減益となっています。
商業銀行の主たるビジネスは貸出です。金利上昇により収益は上がりましたが、一方で貸倒引当金が増えたことで減益となっているようです。将来の貸倒れに備えて引当金を積み増したということは、各行が今後の景気悪化を織り込んでいるかもしれません。
純営業収益 | 純利益 | |
JPモルガン・チェース | 307(+1%) | 86(▲28%) |
バンク・オブ・アメリカ | 226(+6%) | 62(▲32%) |
シティグループ | 196(+11%) | 45(▲27%) |
ウェルス・ファーゴ | 170(▲16%) | 31(▲48%) |
単位:億ドル()内は前年同期比増減率
インフレと利上げによる金融引き締めで世界的な景気悪化が懸念されますが、金融機関が大きなダメージを受けていなければ景気悪化のインパクトはそれほど大きくないと思われます。一方で貸倒が想定以上に拡大して金融機関にダメージが出れば景気悪化のショックは大きくなると思われますのでこうした金融機関の状況はチェックしておきたいところです。
また、欧州や新興国の国債価格が下がってきています。ドラギ首相の辞任表明による政局不安もあり、イタリア国債は3%台半ばまで上昇しています。(債券価格は下落)
こうした南欧や新興国債を保有する金融機関がダメージを受けていないか等のニュースも注意してみておきたいところですね。