個人投資家は投資信託を活用して長期・分散で投資する

前回は、投資はお金が減ってしまうリスクを受け入れながら、リターンを狙うためにお金の置き場所を預金から変えるものだという話をしました。

そのため、投資を行う際には、リスクとリターンの関係を分析して、自分が取れるリスクの中で、狙いたいリターンが期待できる投資商品の組み合わせを考えていくことになります。

そうは言っても、リスクとリターンの関係を分析することはとても難しいことです。

金融のプロでなければ、自分で分析することはほぼ不可能と言ってもよいでしょう。

しかし、富裕層ではない、数百万円単位未満を投資する一般的な投資家は金融のプロである証券会社や銀行から投資商品のリスクやリターンを詳しく説明してもらうことはなかなかできません。

証券会社や銀行もビジネスですので、手数料を稼ぐことができる富裕層にしか丁寧な商品説明や提案は行いません。

今日は、小口資金を投資する一般的な投資家は、どのように投資を行うべきかということについて説明します。

投資信託は、投資家から集めたお金を運用の専門家が投資する

リスクやリターンの分析は情報をすぐに取得できるパソコンの環境がないと難しいです。

証券会社では、Bloomberg社やQUICK社といったような情報ベンダーが提供するサービスを使って、リスクやリターンの分析をしています。

こういった情報ベンダーのサービスは高額ですので、一般的な投資家のパソコンにはこういった情報ベンダーのサービスは入ってないと思います。

こうした情報ベンダーのサービスがあるとしても分析には、高度な分析能力と相応の分析時間が必要になります。

したがって、一般的な個人投資家はリスクやリターンの分析が、自分ではできない状態であると言えます。

リスクがわからない中で投資を行うということは大変危険なことです。

しかし、このように自分では分析ができない投資家の資金を集めて、投資の専門家が代表して運用を行ってくれる商品があります。それが投資信託です。

一般社団法人投資信託協会によると、投資信託とは「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」と定義されています。

運用の専門家が株式、債券、不動産等などの投資商品のリスクとリターンを分析して投資をしているので、投資信託を買うことで、個別商品のリスクやリターンを自ら分析する必要がなくなります。

投資信託はリスクが分散されている

また、リスクは分散することが重要です。「卵を一つのカゴに載せるな」というのは有名な格言です。

卵を一つのカゴではなく複数のカゴに乗せておけば、一つのカゴを落としてしまっても他は大丈夫というわけです。

投資信託は運用の専門家が数多くの株式等に投資している商品なので十分にリスク分散がされています。

問題は、投資信託にも様々なタイプのものがあるので、どの投資信託を選べば良いのかを考える必要があります。

また、運用の専門家に払う手数料がかかりますので、手数料の低いものを選ぶということも重要になります。

このように数百万円単位未満の大口ではない投資を行う一般的な個人投資家は、投資信託を上手に活用しながら長期で投資していくことが基本となります。

個別株式や個別不動産への投資は事業性が強いため投資系副業と考える

個別の債券や株式を分析して購入するやり方や個別の不動産に投資するやり方は、相当の分析スキルや分析の時間がかかります。

分析に自信があり、時間もかけることができる場合には大きなリターンも期待できますので取り組んでも良いでしょう。

しかし、これは相当の時間をかけながら行うものであり、リスクも高くどちらかと言うと事業性が強くなると思います。

したがって、一般的な長期分散で行う投資とは分けて、投資系の副業として考えるべきです。

投資は自分では労力をかけずに、長期・分散(銘柄の分散と時間の分散)でお金に働いてもらうもの。

投資形の副業は自分で労力をかけて、リスクリターンを分析して投資をして行くビジネスであると分けて考えるべきでしょう。

まとめ

投資はリスクとリターンを分析してお金の置く場所を変えていくものです。

ところが、一般的な個人投資家にとって、リスクとリターンを分析することは難しいことだと言えます。

したがって、投資の専門家がお金を集めて、リスクやリターンを分析して投資している投資信託を上手に活用して長期・分散(銘柄分散と時間分散)で投資を行うことが基本になります。

投資信託であれば、投資のプロが数多くの株式等の投資商品に分散投資していますので、銘柄のリスク分散が効いています。

また、投資信託を活用しながら長期・分散で行っていく投資と個別株式や個別不動産を自分で分析して投資する投資系副業とは分けて考えていくべきだと思います。

次回以降、投資信託について詳しく書いていきたいと思います。