今日から何回か、投資に関する基礎的なお話しをしていきたいと思います。
日本では、学校教育の中で投資に関する教育を受ける機会がほとんどなく、欧米先進国に比べて国民の投資への関心が低いことが課題と言われています。
岸田政権の資産所得倍増プランの中で、金融経済教育を受けたと認識している人は7%に留まる一方で、金融経済教育を行うべきとの回答は7割を上回っているとの調査結果が報告されました。
そして、貯蓄から投資へと資産シフトを図っていく中で、金融経済教育を充実させていくことが重要であるとしています。
今年からは高校の授業に投資に関する内容が含まれるようになりました。
今後は、自治体や企業での金融経済教育を官民一体で行っていくことが政策として計画されています。
私も証券会社に15年勤め、富裕層のプライベートバンカーとして培ったノウハウや経験をできるだけ多くの人に届けていきたいと思っています。
このブログを読んで、投資に関心を持つ人が増えてくれると嬉しいです。
投資はお金が減ってしまうリスクをとりながらリターンを狙うもの
お金は、銀行に預けておくと時間の経過とともに金利を生み出します。
この銀行預金は、預けている銀行が倒産しない限り元本が減ることはありませんが、日本の金利はほぼゼロです。
これを、預金からお金が減るリスクがあるものに置き場所を変えることで、金利に代わるリターンを狙うことが可能になります。
たとえば、会社や国の借金である債券を買うとあらかじめ決められた利金が毎年入ってきます。
株式会社が発行している株式を買うと、会社が事業で稼いだ利益の一部が配当金として入ってきます(業績によっては、配当が出ない場合もあります)。
あるいは、会社の人気が出て、株価が上がれば、売却したときに売却益が入ってきます。
不動産を買うと、入居者が入っていれば賃料が定期的に入ってきます。
また、不動産の価値が上がると売却したときに売却益が入る場合もあります。
このようにお金が減ってしまうリスクはあるものの、預金ではなく債券、株式、不動産のような投資商品にお金の置き場所を変えることでお金がリターンを得ることを狙うことができるのです。
リスクとリターンの関係を分析してお金の置き場所を変えていく
お金の置き場所を考えるときに、どの程度のリターンが見込めるか、どの程度お金が減ってしまうリスクがあるのかを考えながらどこにお金を置いていくかを考えます。
リスクとリターンとの関係を分析して、リスクに対して最も効果的にリターンが得られる投資商品にお金を置いていく。これが投資です。
一般的にリスクが低ければリターンも低くなります。反対にリスクが高ければリターンも高くなります。
例えば、債券は国や会社に決められた期間、お金を貸すことになるのですが、満期の時点で国や会社がなくなっていなければ元本が満額戻ってきます。
格付けと言って、国や会社の信用力に応じてランクが付けられていて、ランクが高い会社の債券の利金は低く、ランクが低い会社の債券の利金は高くなります。
株式は、成長企業のような大きな値上がりを狙えるような銘柄は、大きく下がるリスクもあります。
一方で、業歴の長い大企業のような安定した価格の株式は大きく下がるリスクは低くなりますが、大きく上がることも期待しづらくなります。
不動産も、空室のリスクが少ない都心の物件は、購入価格が高くなり、賃料利回りは低くなります。一方で、安い価格で買えて、賃料利回りが高くなる地方の物件は空室となるリスクが高まります。
このようにリスクとリターンとの関係を分析して、自分が取れるリスクに応じて、期待するリターンを得られそうな組み合わせは何かを考えて、そこにお金を置く。これが投資の本質です。
まとめ
投資はお金が減ってしまうリスクがほぼないと言える預金から、お金が減ってしまうリスクのある投資商品にお金の置き場所を変えることでリターンを狙うものです。
そして、リスクとリターンとの関係を分析して、自分がとれるリスクに応じて、狙いたいリターンが期待できる組み合わせを考えて、お金の置き場所を変えていく。これが投資の本質です。
次回以降、商品ごとのリスクとリターンの関係についてお話しします。